パネルディスカッション③図書館
図書館はビブリオバトルとどのように歩んできたか
―図書館への導入・普及とこれからの可能性―
内 容 紹 介
これからの図書館のあり方を示唆するような先進的な活動を評価する「Library of the Year」において、2012年度の大賞を受賞したことに象徴されるように、図書館業界におけるビブリオバトルへの注目度がここ数年高まってきています。
これまでにも公共図書館・大学図書館・学校図書館・専門図書館などの館種を問わず、全国各地のさまざまな図書館がビブリオバトルを導入し、その開催を支援しています。
また、第13回図書館総合展(2011年)のランチタイムセッションや、第16回図書館総合展(2014年)での「全国大学ビブリオバトル2014 〜京都決戦〜」の予選会開催など、図書館の施設内に限らない空間でもビブリオバトルを実施している事例があります。
本セッションでは、「公共図書館の職員の立場」「大学図書館の職員の立場」「図書館利用者の立場」「図書館業界を俯瞰する立場」から見たビブリオバトルの活用事例について、それぞれの視点からのご発言をいただきながら、これからの図書館業界におけるビブリオバトルの可能性を探ってみたいと思います。
パネリスト
乾 聰一郎(いぬい・そういちろう)氏
奈良県立図書情報館 総務企画グループ 調整員
企画・広報チーム チームリーダー
http://www.library.pref.nara.jp/
1962年大阪生まれ。
1999年より6年間、奈良県教育委員会事務局で図書情報館建設準備(主としてソフト面の整備を担当)に携わる。
2005年11月に奈良県立図書情報館開館。
開館後は、主に企画展示やフォーラム、コンサートなどのイベント、またさまざまな連携事業等の企画・立案・運営のほか、情報発信事業や広報を担当している。
奈良県立図書情報館ビブリオバトル部顧問。
田中 志瑞子(たなか・しずこ)氏
神戸大学附属図書館 情報サービス課 総合・国際文化学情報サービス係 係員
http://lib.kobe-u.ac.jp/
2012(平成24)年7月より現職。
普段はカウンターでの利用者対応のほか、選書、テーマ図書展示などを担当。
学生選書ツアー、ビブリオバトルなどのイベントの運営にも多く携わる。
好きな本のジャンルは恋愛、歴史、科学、日本語学。
犬が出てくる本にも弱い。
益井 博史(ますい・ひろふみ)氏
ぴあぴあコミュニティサポート合同会社
http://www.piersnpeers.com/
ビブリオバトルふしみ 代表
https://www.facebook.com/bibliobattle.fushimi
京都府在住。
大学図書館主催のビブリオバトルに参加したことがきっかけで、地域サークル「ビブリオバトルふしみ」を2013年9月に立ち上げる。
以来毎月、青少年活動センターやカフェ、劇団の稽古場など様々な場所でビブリオバトルを開催中。
ときどきビブリオバトル普及委員として講演活動も。
好きな中華料理は酢豚。
岡本 真(おかもと・まこと)氏
アカデミック・リソース・ガイド株式会社 代表取締役
http://www.arg.ne.jp/
1973年生まれ。
1997年、国際基督教大学(ICU)卒業。
編集者等を経て、1999年、ヤフー株式会社に入社。
Yahoo!知恵袋等の企画・設計を担当。
2009年に同社を退職し、1998年に創刊したメールマガジンACADEMIC RESOURCE GUIDE(ARG)(週刊/5000部)を母体に、アカデミック・リソース・ガイド株式会社を設立。
「学問を生かす社会へ」をビジョンに掲げ、各方面での情報・知識・サービスの創出事業や産官学連携事業を展開。
近年のプロデュース事例として、協働・創発型オフィス「さくらWORKS<関内>」、来訪型町屋シェアハウス「鍵屋荘」、東日本大震災に伴う博物館、図書館、文書館、公民館の被災・支援情報集約のための「saveMLAK」、ユーザー参加型研究の世界の実現を図る「ニコニコ学会β」等がある。
なお、「あのひと検索 SPYSEE」、クラウドファンディングサービス「READYFOR?」を運営するオーマ株式会社の代表取締役を兼任。
著書に『未来の図書館、はじめませんか?』(青弓社、2014年)、『これからホームページをつくる研究者のために』(築地書館、2006年)、『ウェブでの<伝わる>文章の書き方』(講談社現代新書、2012年)、共編著に『ブックビジネス2.0』(実業之日本社、2010年)ほか。
コーディネーター
岡野 裕行(おかの・ひろゆき)氏
皇學館大学 文学部 国文学科 助教
http://www.kogakkan-u.ac.jp/
1977年、茨城県生まれ。
図書館情報大学での学びを経て、2006年に筑波大学大学院図書館情報メディア研究科博士後期課程を修了し、2011年から現職。
図書館情報学と日本近現代文学が交わる学際領域に関心を持ち、文学館の研究などを行っている。
2012年、ゼミ生たちがビブリオバトルサークル「ビブロフィリア」をつくりたいと言い出したので、二つ返事で顧問の役目を引き受ける。
また、ビブリオバトルが大賞を受賞した「Library of the Year 2012」では、その最終選考会におけるプレゼンター役を務めた。
http://www.iri-net.org/loy/loy2012.html
2013年からはビブリオバトル普及委員会の理事と東海地区代表に就任し、学生たちとともに三重県を中心として講演活動や企画運営などの普及活動を行っている。
現在は三重県住みの伊勢うどん好き。
単著に『三浦綾子書誌』(勉誠出版、2003年)、『三浦綾子:人と文学』(勉誠出版、2005年)、『文学館出版物内容総覧:図録・目録・紀要・復刻・館報』(日外アソシエーツ、2013年)、共著に『ビブリオバトル入門:本を通して人を知る・人を通して本を知る』(情報科学技術協会、2013年)などがある。